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After Effects でエクスプレッションエラーが発生したら
Adobe After Effects(アフターエフェクト)というソフトをご存知でしょうか?After Effectsは、動画の合成や加工などVFX映像を作成するのに大変役立つソフトウェアです。イチから全てを作成するのは大変時間がかかりますので、After Effectsのテンプレート(プロジェクトファイル)を販売するサイトがあり、大変便利です。代表的なサイトには videohive や videoblocks などがあります。videohiveは単品購入をするタイプ、videoblocksは年間ライセンスを購入して使い放題(一部除く)というタイプなのですが、いずれも英語サイトなのである程度英語の知識はあったほうが良いと思われます。
購入したプロジェクトがエラーに
プロジェクトを購入、ダウンロードし準備万端と思った矢先、After Effectsを起動し、プロジェクトファイルを開くと、こんなエラーが出ることがあります。
「このプロジェクトにはエクスプレッションエラーが〇個あります」
これ、実は「英語版」のAfter Effectsファイルを開いているので互換性のない、つまり日本語で表記されているエクスプレッションはエラーになってしまうんです。その代表的なものは、
"slider" "color" "angle"
などです。これからを日本語に書き換えねばなりません。
"スライダー" "カラー" "角度"
となります。エクスプレッションエラーが表記されているウィンドウの右上に虫眼鏡アイコンがありますので、そこをクリックすると該当するエラー表記へ飛んでくれます。手作業の場合ひとつひとつ書き換えてあげないといけません。数十個程度ならまだ手作業でも大丈夫なのですが、これが数百個となるとどうでしょうか?…私は百個くらい書き換えて断念しました。ではエラーが沢山あるときはどうすれば良いのでしょうか?
ExpressionUniversalizer 3というプラグイン
After Effectsのプラグインで何か解決方法があるかもしれないと探してみました。そこで見つけたのがExpressionUniversalizer 3です。「ExpressionUniversalizer 3 は、After Effectsの言語に起因するエクスプレションエラーを修正するAfter Effectsスクリプトです。例えば英語版のAfter Effectsで作成されたプロジェクトを受け取り、日本語版のAfter Effectsで開きます。元のプロジェクトが作成された際にエクスプレッションで制御されたパラメーターがある場合、日本語版のAfter Effectsで開くとエクスプレッションエラーが表示されます。ExpressionUniversalizer 3 は、このエラーを修正するスクリプトです。」(ホームページより抜粋)
紹介文を読む限り良さそうだと思い、デモをダウンロードし試してみました。その結果は、全く改善されていませんでした。デモ版だからなのか分かりませんが、プラグインを使用してエラーを修正する前と後では、改善された数は「ゼロ」でした。しかも、このプラグインを動作させるためには、まずAfter Effectsを英語版で起動する必要があります。
もともと英語環境で作られたプロジェクトなので、英語版で開けばエラーが出ません。なるほど。
英語版で起動するには
After Effectsを英語版で起動するには簡単な方法があります。CS5〜CCの場合なら、
Macの場合
アプリケーションからテキストエディットを開きます。新規書類を作成し、何も入力しないまま「ファイル」→「保存」。「ae_force_english.txt」というファイル名で保存。「書類」ファルダに出来たファイルを移動。ファイルを消せば日本語版で普通に起動できます。
Windowsの場合
デスクトップ上またはファイル作成できる場所で「右クリック」→「新規作成」→「テキストドキュメント」。「ae_force_english.txt」というファイル名で作成します。「マイドキュメント」ファルダに出来たファイルを移動します。ファイルを消せば日本語版で普通に起動できます。
そのほか、詳しいことは「本当にわかりやすい After Effects チュートリアルサイト」に掲載されていますのでご一読ください。
エクスプレッションエラーで最善の解決法とは?
結局の所、一番の解決方法は「英語版で起動して使用する」ことではないかと思います。ひとつひとつ手書きで直すのはとても手間ですしまた、プラグインを使っても英語版で起動する必要があります。であれば、英語版のAfter Effectsプロジェクトファイルを購入・ダウンロードした場合は、英語版で起動して使用するのが一番手っ取り早いのではないでしょうか。そして使い終わったらまた日本語環境に戻すわけです。もし、テキストファイルをいちいち作り直すのが面倒ということでしたら、日本語環境に戻す際にテキストファイルの拡張子に「_」など加えて保存すれば、簡単です。そして再び英語環境でしたいときには、「_」を外して保存するだけ。ただ、英語環境のAfter Effectsに慣れる必要はあるかもしれません。
そうこうしているうちに、Adobeが改善してくれれば一番良いのですが。期待して待ちたいと思います。
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