- トップページ >
- MVJコラム >
- 映像制作会社のコラム
- 世界に伝わる製品紹介ビデオの作り方
世界に伝わる製品紹介ビデオの作り方
世界を目指すベンチャーにとって、その製品の魅力を伝えるのは大変重要であり、とても難しいことです。今や製品紹介ビデオは世界に伝わる効率的なプレゼンテーションの方法として認知され、ビデオの質はアプリケーションの質と同等に重要なものと考えられています。
Evernote Devcup の審査でも、同様にビデオによる製品紹介が大変重要です。
今回は、Evernote のマルチメディア系コンテンツを統括しているニック・ストレイヤーが、ビデオ制作におけるアドバイスとヒントをご紹介いたします。
主なポイント:
1) 長さ(尺)は 2 分くらいにおさめる。
2) 映像だけでなく音声にもこだわる。
3) 照明と焦点に注意する。
4) PowerPoint は使用しない。
5) ストーリーを作る。
6) 音楽がメインにならないように。
7) チームワークが大切。
8) 心に響くメッセージを。
Evernoteが提案する製品紹介ビデオの作り方が案内されていました。これ結構理にかなっていますね。
「尺は2分程度」というのは人間の集中力が持続するのがその程度と言われているからです。ビデオを制作するとき結構欲張ってあれもこれも入れたくなるのでどんどん長尺になる傾向があります。でもよほど面白い作りにしないと見ている人は飽きてしまいますよね。大規模な予算をかけて制作する映画だってつまらないものが山ほどあります。でもつまらない映画も予告偏のように2分程度に編集すればきっと面白く見ることができるのではないでしょうか?その証拠にこれと全く逆のパターンがあります。予告偏で面白そうだったからと期待して見に行ったら駄作だった、という展開です。だから時間を短くしてエッセンスだけを紹介することで、見ている人に興味を持ってもらいやすくなります。
音声にこだわるのも大変重要です。つい映像ばかりに気を取られ、音はカメラマイクでいいや、となりがちですが、ここがプロとアマチュアの大きな意識の違いでもあります。音が悪いと命取りだと心がけたいです。
ストーリーを作るのも大切ですね。カタログ的な羅列だとビデオの最後の方まで集中力が続かない可能性があります。「続き」や「結末」が気にならないから。
こちらもEvernote関連からの記事。これによれば、13の教えとは以下の通り。
【1】製品がどんな問題を解決するのかをストレートに表現する
【2】問題解決の手法に自分のアイデアがどう含まれているのか説明する
【3】技術解説に走るのはNG
【4】誰もが「使う場面」を想像できる内容に
【5】アプリの魅力を全部伝えようとしない=訴求ポイントを絞る
【6】5W1H、特に「誰に」「なぜ」アピールするのかを整理する
【7】映像の尺は90秒~2分以内に収めるように
【8】キャプチャ画像を取る際やカメラ撮影する場合はプロ仕様のツールで
【9】適宜、ナレーションテロップを入れる
【10】スクショばかりのビデオにしない。人物インタビューを挿入すると効果的
【11】音声(BGMなど)は有料の音源を買ってでも入れるべき
【12】編集はテンポのよさが大事。画面切り替え/ズームアップを意識的に使おう
【13】製品紹介に「ストーリー性」を持たせよう
こちらも先ほどの話とかぶることが多いですがややニュアンスが違います。その他技術的なアドバイスもたくさん紹介されていますので興味のある方は記事をご覧ください。
他にもオススメしたいのは、「わかりやすく説明する練習をしよう。」(リー・ラフィーヴァー著 庭田よう子訳)
Google、インテル、マイクロソフトなどの最新サービスの説明ビデオを制作するコモンクラフト社の創設者が「説明」の極意を紹介しています。映像制作には当然撮影のための技術的なテクニックが必要ですが、なによりその前に「良い台本」が書けなければ身も蓋もありません。良い台本とはすなわち、ビデオを見た人がその内容について納得し、行動に移したくなるものです。ここでは「説明」をするための流れを6つに分けています。
【1】同意:誰もが受け入れられる大局的な視点で同意を得る
【2】背景:同意した内容から本題の背景を示す
【3】ストーリー:物語にして全体的な意図を表現
【4】結びつき:アナロジー(類推)や比喩を用いて理解度を高める
【5】手段の描写:「こうすることでこうなる」と具体的に示す
【6】結論:興味をもってもらう/行動を促す
補足部分は私が要約しているので少しニュアンスが違っていたらごめんなさい。しかしこれは論文などの流れとよく似ていますね。人を説得するための流れというのは一般論から専門的な内容へとシフトしていくのが常套ですので、納得のいく内容です。映像業界でもディレクターや作家であれば常にこうしたことを念頭に置きながら台本を作成してるのではないでしょうか。
効果的なビデオを制作するのにこうしたノウハウを利用すればかなり良い作品が作れそうな気がします。もちろん業者に頼むことなく自分たちだけで制作することもできるでしょうが、そのために機材を用意したり、台本を作ったり、撮影、編集、音入れと全てやり遂げるまでにはかなりの労力を必要としますよね。誰かプロのサポートをお願いするか、いっそプロに作ってもらうほうが結果的に効率良く良い作品が仕上がると思いますが、いかがでしょうか?良い会社知っています(笑)