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2001年宇宙の旅で使われた特撮技術〜スリットスキャン〜
映画ファンなら見逃したくないSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」。その難解なストーリーとずば抜けた映像表現は後の映画界にも多大な影響を与えています。この映画の中でも、大変印象に残る映像が「スターゲート」のシーンです。このシーンはヒッチコックの「めまい」からヒントを得てスリットスキャンという技術で撮影をされました。
スリットスキャンとは、
The slit-scan photography technique is a photographic and cinematographic process where a moveable slide, into which a slit has been cut, is inserted between the camera and the subject to be photographed. More generally, "slit-scan photography" refers to cameras that use a slit, which is particularly used in scanning cameras inpanoramic photography. This has numerous applications, and is covered at strip photography. This article discusses the manual artistic technique.
ということらしいです。 要は、コピー機と同じような感じでしょうか。細長いスリットを上下とか左右にズラしながらバルブでシャッターを開放にして撮影する技法なのです。 コピーをとるときにスキャナーと一緒に、例えば、手を移動させると「手」がびよーんって伸びて印刷されるじゃないですか?あのスキャナーがスリットと思えば、それをズラして撮影するのがスリットスキャンということでどうでしょうか? 映画の世界ではかのダグラス・トランブル先生が「2001年宇宙の旅」でお披露目したのは有名な話です。 詳しい撮影方法はこちらで紹介されていました(英語版です)。
そしてこちらはトランブル先生の講義。2001年のことを中心にお話しされています。
トランブル先生がお披露目してからかれこれ随分と月日が経ち、最近になってまたスリットスキャンという言葉が登場してきました。そのきっかけが次の動画です。
これはハイスピードカメラで撮影された映像が基本になっています。これのどこらへんがスリットスキャンなのでしょうか? ちょっと調べてみましたら、この撮影に使用されているのはCR600x2という産業用ハイスピードカメラだそうです。1280x1024、500fpsから撮影可能。最大で128x128、16,000fpsまでできます。もしかしたら800x600、1200fpsあたりで撮影しておいてポスプロで工夫しているのでしょうか?かなりコンパクトなカメラで1kgくらい。1200fpsで27秒くらい録画が可能で、お値段300万円!まだお高いですね。レンズはFマウント、Cマウント、Gレンズ対応Fマウント(絞りなしタイプ)、キャノンEF/EF-Sマウントまで対応しているのがいいですね。機会があれば実験してみたいです。 そのほかYouTubeやVimeoでスリットスキャンを検索すると結構出てきます。今ではAfter EffectsやiPhoneでもできてしまうそうなので、かなりポピュラーなトリックになっているんですね。
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