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DX化に向けた課題を実績豊富なTVディレクターが語ります
こんにちは。株式会社モーションビジュアルジャパンです。三月もいよいよ終盤。年度末は出会いと別れの季節とは言いますが、まさにその通りですね。徐々に暖かくなってきて、外にも出やすくなってきましたが、一方で花粉も飛び交い、体調も崩れやすくなる季節。皆様もぜひお体ご自愛ください。
さて、前回、当ブログではDX化はなぜ難しいのかをお伝えしました。DX化とは、発達段階があり、その各段階によって異なる課題があります。今回は【DX化はどう進める? 実績豊富なTVディレクターが語ります】と題して、具体的にDX化をどのように進めていけばいいかをお伝えしていきます。自社を21世紀仕様にアップデートしたい全ての企業経営者様、またそのような社のDXを担われているご担当者様に喜んでいただける内容です。ぜひ、最後までご覧ください。
DX化を進める上での手順
まずは課題を抽出することの重要性。どのようにDXを進めていくかですが、何をどのように、何のために解決するのかを明確にすることが必要となります。そのためには、まず情報を取得していく必要がありますので、以下に具体的な目線をお伝えします。
Volume(量)
データの量はまず多ければ多いほうがいい。どれくらいのデータがあるのかの確認。
Variety(種類)
多岐に渡り、さまざまな視点でのデータが用意されているかどうか。
例えば、営業ノウハウを社内でデータベース化して、営業効率を上げるための導入として、ベテラン営業マンのデータだけでなく、入社3ヶ月の営業マンのデータも取得することが必要になるでしょう。他には、雨の日、顧客条件などできうる限りの切り口で見ていくことも必要になります。
Velocity(速度)
どのくらい早くデータが収集、アップデートされているか。
年に2回しか取られていないデータよりも、月1回定期的に取られているデータのほうがより詳細でわかりやすいですよね。
Veracity(正確性)
現状データの正確性はどの程度担保されているのか。
正確性の担保に関しては、主観がどの程度一次情報なのか。
Value(価値)
データの価値は現状で高いか?AI導入後のデータの価値は、会社にとって高くなるか?
具体的にAIなどITを導入することによって、何に対して、どの程度の効果が見込まれるのか、また見込まれるとする根拠は何かを明示する必要がありますね。実際他部署ですでに成果を上がっている場合には、部署間での変数も考慮した上で横展開することが必要です。一方でまだ自社でのIT導入が進んでいない場合には、類似の業種や転用できる他社事例も探す必要があります。以上の視点で、まずは課題や効果検証を行なっていくことが必要になります。
具体的にどのようにして導入するべきか
一つの私見ではありますが、避けたいのはやはり黒字部門で最初に導入することです。今、黒字化出来ている部門をさらに加速させる狙いを持って、DXを導入することはハイリスク、ハイリターンと言わざるを得ません。例えば、すでに90%の利益を出している部門が92%売上があがったとしても、あまり見栄えがよくありません。「いや、たまたまでしょ」とか、「あれだけ色々やったのに、たった2%・・・?」という評価が聞こえてきそうです。これは少しでも数字が向上した場合の話で、DX化への協力に人的及び時間的リソースを割いたことで、売り上げが落ちてしまうことも考えられます。
最初にDX化を推進する部署として最適なのは、赤字、不採算部門です。もうすでに良くない状態になっているわけですから抜本的な変革を行わなければ会社の足を引っ張ってしまう。その点から周囲に対する説明もしやすいです。
次に実際どのように進めるかという具体論です。弊社が動画制作を中心に行っていることから、インハウス化(内製化)を例にして見ていきます。
インハウス化を進めるということは、誰かが動画を作らなければならないわけですが、担当者だけの仕事に任せると大変なストレスとなります。ですから最低限3〜4人からのチームを作り、しっかりと時間をかけて取り組む意思を明確にすることが大切になるでしょう。逆に舵取りが多すぎるのも問題です。企業のDX化でも同様ですが、誰か責任者を置き、責任の所在を明確にした上で、チーム編成し、まずは部署で成功事例を作り、最終的に全社的に落とし込むことを考えるべきです。この辺りの展開については前回のブログを参考にしていただきたいです。
インハウス化の課題と施策:運用編
導入段階では、特に社内でのまとめ役がきっちり運営管理をしていくことで、企業の狙いや方針が担保されます。例えばYouTube動画を作るにしても、それぞれの部署が思い思いのスケジュールで動画を作って配信してしまっては元も子もないわけです。会社には経営方針や計画がありますから、そうした基本的なことをきちんと守りながら企画を立てなければなりませんし、スケジュール管理もせねばなりません。
しかしながら、多くの会社にどうしても二の足を踏んでしまう。それはこれまでの運用や文化を愛する日本人の性質も多分に影響していることでしょう。それでは変革できず、DXも進まないと思います。弊社の場合は、そうした二の足を踏んでいる企業様にもしっかりと取り組んでいただけるようサポートしております。企業との関わりも非常に多いため、他社の成功事例も導入できる一方、不必要な部分については省くといった無駄のないコンサルを可能としています。
いかがでしたでしょうか。
今回は、【DX化はどう進める? 実績豊富なTVディレクターが語ります】と題してお届けしました。DX化とは、繰り返しになりますが、会社の体制を21世紀仕様にアップデートすることに他なりません。言い換えれば、企業にとっての生存戦略といってもよく、すでに欧米諸国や日本においても外資系企業は積極的に導入しています。かといって闇雲にDX化を進めれば、それはそれで現在の良い文化を壊してしまう可能性があります。良い部分は残し、改善できる部分は改善する。そのお手伝いは、可能であればより企業との関わりが多く、実績が豊富な専門家に依頼することが必要かもしれません。参考にしていただければ幸いです。