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動画のインハウス化~DXから見える課題
こんにちは。株式会社モーションビジュアルジャパンです。3月もいよいよ2週目。年度末でバタバタと忙しくしている方も多いのではないでしょうか。ちょうど、この年度末になってくると、多くの人が次年度の人事異動や新しい職場環境へ移動となり、期待に満ち溢れている方も多いのではないかと思います。
さて、今回は【動画のインハウス化~DXから見える課題】と題して、昨今巷では囁かれているDXの難しさ、弊社で対応することの多いインハウス化について解説していきます。DXと聞いて「ハンコをデジタルにすればいいんでしょ?」「うちは会社説明会も面接も全部オンラインで実施しているので、もうDXはかなり進んでますよ」「うちはかなりリモートワークも進んでますから・・・」と思っていた方にこそ、ぜひご一読いただきたいブログです。
DXとは? インハウス化とは?
まずは順番に前提として、DXとインハウス化について説明していきます。まず、DXとは単純にオンラインで面接を行うとか、そう言った類のことではありません。
DXとは、デジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルを変革し、企業の価値や競争力向上を実現していくことを指しています。つまり、単純にITツールを使うことだけではなく、企業風土にまで踏み込んで、会社を次世代仕様にアップデートする組織改革なのです。DXについて語る知識人に、滅法大手外資系コンサル出身の方が多いのも、実は自然な流れなのです。
次に動画のインハウス化についてです。動画のインハウス化とは、昨今会社のPR動画などを外注するのではなく内製化することでコストを抑えようという動きが出てきました。DXを推進する手段として、企業PR動画や社内向けマニュアルをインハウス化することで内部効率をあげていきたいという図式です。しかし、これは言葉で言うほど容易くはありません。
そこでDX化を推進する上では、どのようなステップを踏むのかを見ていきましょう。大きく5つのステージに大別することができます。もちろん、このステージを順番に辿らなければいけないわけではありません。ただ、基礎的なルートを知っておくことで逸れた時、軌道修正の役に立ちます。
1:基礎ステージ
部署内のプロセスを一部自動化、省人化。
例えば、顧客からの問い合わせに対して自動チャットボットで対応するといったことは、このステージに該当します。まず、この省けることは省くという視点がなければ、そもそもDX化は難しいです。
2:サイロステージ
部署内にいるチーム同士での情報共有ができたり、チーム内で開発するデジタル商品を開発する。
(インハウス専門チームを作って動画をすすめていくなどが、この段階にあたります)
3:部分的統合ステージ
複数の部署で情報を統合し、新しいビジネスを展開する。
(インハウス専門チームが、例えば営業チームと連携を取り、顧客ニーズを吸い上げ、顧客に訴求するためのPR動画や顧客ニーズを充足するような新規サービスを制作するといった段階です)
4:全社的統合ステージ
3の状態が会社全体に行き渡り、相互にシナジーを生み出し、会社全体に好循環が生まれている段階です。
5:デジタル化した会社のDNA
4の状態が、恒久的な会社文化として強く根付いている状態となっている段階です。
大まかな流れで言えば、このようなステージを経て、DX化を成していきます。非常に大層な話ですが、人数が大きくなればなるほど、難易度は上がります。しかし、本質的にDX化を達成するかどうかは経営者の力によるところが大きいのです。それだけで結論づけては具体性に欠ける話になってしまいますので、具体的にDXを推進していくには、どんな壁があるのかを確認していきましょう。
DXを実施していく上での課題について
DX化を推進する第一歩としてインハウス化を導入するとなった場合、問題となるのは、導入に踏み切った管理者(経営者)と現場との乖離です。経営者が「やるぞ!」と思ってスタートしても、実際の担当者にそれほどやる気がなかったり、そもそもなぜそんなことをしなければならないのかを理解していないケースも実は多いのです。そうなると、現場からは不満轟々となるでしょう。余計な時間的、人的リソースの提供に、社員のモチベーションは下がりまくり、数年後には「何かそんなことやってたよね」と居酒屋でのネタになっているといった具合に、見るも無惨な結末が待っています。そんなあまりにも暗い結末を回避するためにも、弊社でも顔合わせから社内で情報共有しながら進めます。次に、具体的なDX化を阻む要素を分解していきましょう。
DX化を阻む要素
課題というよりは、陥りやすい穴をご紹介します。
①課題把握が十分でなく、実行できない状態。
・とりあえず世間的にせまられているから、「やらねば」となっている。
・異常に高い技術への期待値(知らないからこそ、現実不可能な求めがある)
・現場オペレーションを理解していれば、出せないような改善策を出してしまっている。
②課題把握は十分でないが、実行力はある状態。
・「まずはやってみないとわからない」となっているので、現場や実情のヒアリングが不十分である。
③課題把握も出来ているが、実行力はない状態。
・課題選定も出来ているのだが、人材やリソースが集められない。
・実行できるだけの人材を集めることができない。
これらの課題は、いろいろな業種、業態ならではのさまざまな背景、要因もあるかもしれませんが、今後DXを推進すると決断する前には一度振り返ってご検討いただきたいことがあります。
「Fear Of Missing Out(置いていかれることを恐れる)」という心理状態です。
これは、例えば行きたくもない飲み会に誘われたものの、みんなに取り残されたらどうしようと考えて、行きたくもない飲み会を断れないというような心理状態のことを指します。確かに、DXは避けられない時代の流れではありますし、各種ITツールは利便性が高く、今ある経営課題を解決してくれるかもしれません。しかし、実態に即さない変革では、のれんに腕おし状態で何ら成果をもたらさないことさえあります。
いかがでしたでしょうか? 今回はDX推進の基本概念、および実行にあたっての課題を見てきました。
次回は、その概念と課題を踏まえて、具体的な施策として何をすればいいのかをお伝えします。ご期待ください。