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コロナ禍によって変化した映像制作業界のこれから
こんにちは。株式会社モーションビジュアルジャパンです。年末にはようやく収束に向かうかに思われたコロナウイルスもまた新たに2月から3月にかけて一挙に蔓延しています。皆様もお大事ありませんか?
さて、今回はこれからの映像制作業界について、映像制作会社の視点でお話しをさせていただきます。このコロナ禍によって、映像制作業界も大きく様変わりしてきました。就職活動、企業PRをはじめ、オンライン全社総会など、映像制作業界が関わってくるシーンは劇的に増加しています。また、そもそもインターネットとリモートワークの普及により、映像コンテンツの需要が高まりつつありました。今回の新型コロナウイルスの影響でその動きが加速したというイメージです。また、ここから5Gもまた、2020年から新通信規格の5Gの提供が始まりました。5Gが普及すれば、これまで以上に動画や広告を目にする機会が増え、映像プロダクションの重要性もさらに高まるでしょう。
この時代の潮流に伴って、映像プロダクションには注目が集まっています。一方で、新型コロナウイルスの影響を受け、働き方や制作環境が大きく変化しています。さらには映像制作業界に参入してくる企業もかなり増えています。あまりにも変化が大きすぎて見通しがつかない映像制作業界のこれからについて見ていきます。今回のブログを読めば、どういう映像制作会社と連携すればいいのかはもちろん、業界の大まかな流れを把握することができます。
現在の映像制作業界にはどれほどニーズがあるか
最近はYouTubeはもちろん、それ以外にも多くの場面でスマートフォンで映像を見る時代になりました。また、これまではテレビに出演することでしか多数の人へ発信することができませんでしたが、すでにだれでも発信ができる時代になっています。実際、少し古いデータにはなりますが、2015年時には1人あたり月間1時間30分ほどであった動画視聴は、2019年時には7時間にも増えています。まして、コロナで巣篭もり需要が増えた2022年になれば、その傾向はさらに強まっていることでしょう。
出典:ニールセン「全世代でスマートフォンがネット利用のメインデバイスに~ニールセン 2019年上半期のデジタルメディアの利用動向をまとめた「Digital Trends 2019上半期」を発表~」
このデータには、もちろんネットフリックスなどのようなサブスク型の動画視聴サービスの視聴も含まれているのですが、それでもこれだけ多くの人が視聴し続けている販路を、コロナ禍で販路開拓に難儀している企業が使わない手はありません。実際、インターネット黎明期の雄、サイバーエージェント社が出している情報によれば、動画広告市場規模推計・予測は2023年には5065億円にも上るとしています。
(出典元 https://marketimes.jp/the-future-of-video-editing/)
一企業が出しているデータではありますが、サイバーエージェント社ほど大規模な会社においてもこれほどの市場規模を見込んでいることが伺えます。しかも、この傾向に加え、5Gの提供開始です。5Gになると、単純に通信速度が早い(4Gと比較しても約20倍)のはもちろんのこと、テザリングを複数端末入れても問題なく対応できてしまうほどの通信パフォーマンス。さらに、動画市場の拡大が見込まれます。だからこそ、前述のように映像制作会社が増えることにつながるのです。
映像制作業界のこれから
しかし、いかに業界が豊かでこれからの将来性が見込まれるとしても、当然ここからの流れとして、淘汰される会社もあります。以前ではドローン空撮がそうでした。黎明期は1日35万円で空撮をしていた会社もありましたが、そのうちに値段の叩きあいとなり、一時3万円で空撮する業者やフリーランスが登場しました。しかし、今では10万くらいに落ち着いたのではないでしょうか。「料金設定」で勝負する会社は短期的な付き合いであればいいのですが、安売り合戦に参加するようになってしまってはどれだけ市場規模が今後成長したとしても先細りすることが分かりきっています。結局我慢比べになってしまい全員敗者への道へ進むことになりかねません。それよりも、技術を磨いたり、独自の新しいサービスを付加した会社が今もこれからも生き残っていくことになります。
技術面に関しては、動画編集者や映像制作の担い手に関するニーズは、長くは続かないだろうと、将来性を懸念する声も現場から聞かれることもあります。しかし、実際のところ、メディアとしてのインターネットやTV放送がある限り、動画編集や映像制作の世界はなくなりません。確かに、映像技術の進化やAI技術の向上によって、かつては一部の技術者(エンジニア)や知見を持った人だけが携われる動画編集や映像制作も「誰でもできるもの」に移り変わりつつあります。実際に家庭のパソコンやスマートフォンで動画編集が簡単にできるソフトやアプリが販売されています。
もちろん、家庭・個人レベルでできる動画編集は浸透しつつありますが、商業レベルでのインターネットメディアに対する動画編集などに関してはまだまだマンパワーが必要です。
技術の向上によって作業量が減ると思われがちですが、クリエイターの思い描く緻密な表現を具体化しやすくなっただけで、クリエイターがこだわればこだわるほど作業量が増えていくという現状は解消されません。また、やはりコンテンツそのものを考える企画構成や撮影現場のディレクションを行うことに関してはまだまだ人間の実務経験に及ぶところではありません。そうした利点を明確に顧客へ訴求できることはもちろん、現状に甘んじず、常に表現者としての技術向上に努めている映像制作会社こそがこれから生き残っていく会社だといえます。
いかがでしたでしょうか?今回は、映像制作業界のこれからについてお伝えしました。映像制作業界に参入しようとしている会社、もしくはこれから広報活動の一環として、動画制作を展開されようとしている皆様の助けとなれば幸いです。