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日本一のディレクターが語る絶対にチェックすべき企画
こんにちは。株式会社モーションビジュアルジャパンです。今年もあとわずか。コロナもようやっと落ち着きを見せ始めた今日この頃。来年こそは海外にも足を運び、のんびりバカンス、なんて世の中になればと願ってやみません。
さて、今回は前回に引き続いて、日本一のディレクターが語る、絶対にチェックすべき企画というテーマで引き続きお話しをしていきたいと思います。
前回のブログでは、日本人で知らない人はまずいないだろう、ご長寿番組を二つあげさせていただきました。黒柳徹子さんが司会を務める「徹子の部屋」、タモリさんこと森田一義さんが司会を務める「森田一義アワー 笑っていいとも!」の2番組です。
番組企画自体、誰もが知るところですが、長く続いてきた番組であることに加え、安定的に、そして長く視聴者に愛され続けてきた番組です。そこには、勿論黒柳徹子さん、森田一義さん御二方の職人技とでもいうべき、そしてテレビが生放送時代だった頃から活躍してこられた熟練の技があることも確かです。
しかしながら、この二つの番組には同時性、つまりライブ感がありました。徹子の部屋は「徹子の部屋」も、「話を切って、いい所だけをつなげるやり方はゲストに失礼」との黒柳さんご自身の考えから、生放送ではないものの、生放送に近いライブ感がありましたし、「笑っていいとも」の場合は生放送で、時には不審者が乱入してしまうなどというハプニングもありました。
それも視聴者を惹きつけるスパイスと化していたのは、ひとえに司会を務める御二方の技量あってこそのものですが、企画を考える上での参考となるでしょう。
さて、両番組ともに、長い時代、放映してきました。時には、両番組ともに、視聴率が振るわない時もありました。その際に必ずテコ入れが入ってきます。
まず、「徹子の部屋」からみていきましょう。「徹子の部屋」は、元々は教養番組として始まっていたそうです。記念すべき第一回目のゲストが故・森繁久彌さん。そこから現在の田原プロデューサーが担当するようになった11年前は視聴率が最も振るわなかった時代だったそうです。
番組のテコ入れのために田原プロデューサーが何をしたかというと、テレビ朝日で当時ブームとなっていたお笑い芸人の方へ来ていただくことになりました。ところが、当時黒柳さん自身は、「(芸人さんの)面白さがわからない」とのことで否定的だったといいます。とても率直な感想を、田原プロデューサーは「そのまま言っていただいて大丈夫ですから」ということで、お笑い芸人をゲストにお呼びしたそうです。そこから先は、多くの視聴者も知る通り、間寛平さんの「かいーの」という芸に対して、「どこかかゆいんですか?」と言ったり、アンガールズの田中さんへ「どこで拍手すればいいのかしら」と言ったり。その率直なトークが今もなお続く、徹子の部屋の大きな魅力となっています。注目すべき点は、演出に関わった田原プロデューサーが黒柳さんの魅力を最大限引立たせて行くこと、それを変に視聴者へ迎合したりすることをしなかった点です。黒柳さんは、毎回ゲストに会うのを楽しみにされていて、田原プロデューサーもまた「来てくれたゲストには必ず『きてよかった』と思ってくれるようにしたい」と話します。出演者と演出するスタッフの方向性がピタリとマッチしていることこそ、今もなお続く番組の魅力になっています
(参考 https://www.tv-asahi.co.jp/reading/touch/30571/)
一方で、「笑っていいとも」は、90年代では絶対的な昼番組の王者でした。ところが、2000年代に入って、「ヒルナンデス」などの番組に視聴率で劣る場面も見られるように。ここで番組のテコ入れが入り、主婦層をターゲットにしたコンテンツが増えていきます。2013年4月から総合演出として新しいスタッフが加わり、テコ入れをすることになりました。40歳以上の主婦層をターゲットにして巻き返しを図ろうとしていたといいます。
オネエ系のイケメンを紹介する「オネメンコンテスト」など主婦層向けを意識したコンテンツなどが増えています。その一部では、実際森田さんが舞台から姿を消す一幕も見られました「笑っていいとも」には、さまざまな魅力があったわけですが、一番の魅力は森田さんの豊富な知識とウィットに富んだ切り返しなどの話術。「オネメンコンテスト」では森田さんの魅力であるトークや、ライブ感のある展開は難しいでしょう。
(参考 https://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/16314505/)
この二つの番組企画から言えることは、動画で企画を立案する場合には、まずライブ感。出演者に箱を提供し、いかにそこで出演者本来の魅力を見極めて演出するかが重要なのではないかと思います。この2点が、企画を途中変更する上でも大事であるかということです。
そのような同時性、そして素材本来の魅力を引き立たせる演出というのは実は結構難しいです。前回のブログでもお伝えしていたように、特に黒柳さんの場合には、何枚ものメモを事前に作成しておいて、ご自身で番組構成まで考えて対応しているわけですので、かなり入念な準備が必要になります。
そのような動画を企業が導入する場合には、例えば株主総会や会社のスポーツチームといった活用の仕方が最たる例でしょう。それ以外では、社員研修や研修の一環として行われている営業ロールプレイといった動画の活用方法をしている企業も見受けられます。
いかがでしたでしょうか?
上記のうち、とくに「徹子の部屋」は今でもみることができますし、実際黒柳さんご自身が構成も考えています。黒柳さんがゲストの方にされている質問の意図や背景などを考えてみると、今後動画制作を行う上でも参考になるかもしれませんね。
前回のブログはこちらからどうぞ
『日本一の動画制作ディレクターが語る絶対にチェックすべき企画』