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御社は大丈夫?【企業動画を炎上リスクから守る方法~前編】
こんにちは。株式会社モーションビジュアルジャパンです。徐々に師走の風も近づいてきて、最近はめっきり寒くなりましたね。10月中旬までは「いつになったら寒くなるのやら」などと言っていたのも今となっては昔。皆様もお体にお気をつけて、お過ごしください。さて、今回は企業動画が炎上する背景についてお伝えします。
このブログをお読みくださっている方は、どちらかといえば発信者側の方が多いかと思います。そのため、今日は過去の炎上事例と、何故それが起きているのかを紐解くことで、動画を配信する際の参考にして頂けますと幸いです。今回の事例は、大手企業のものになりますが、誰もが発信者になれる今、炎上騒動は決して対岸の火事ではないのです。
対個人と対企業での炎上には違いがある
炎上騒動というと、最近で言えばメンタリストDaigoさんが炎上していました。その発言の主旨は「生活保護の奴等のために税金なんて使うくらいなら、猫を保護してほしい」といった確かに一般的には許されない暴言を発しています。他にも不倫、明らかなマナー違反、経歴詐称といった形で、YouTuberがやってしまう炎上は「それは社会通念的に考えてアウト」とされることが多いのに対して、企業CMでの炎上はジェンダーなど「社会に潜んでいる見えない差別」であることが多いように思います。
例①ルミネの女性応援CM
具体的には、例えばルミネのCMです。30歳前後の会社勤めの女性を主人公とした動画で、彼女と、スーツを着て眼鏡をかけた男性上司(推定年齢・30代後半~40代初め)と挨拶を交わすところから始まります。 Google(グーグル)検索すると、YouTube(ユーチューブ)に残っている動画を見ることができるかもしれませんが、「うちの会社でも、こういうやり取りはあるな」と思い当たるかもしれない。「自分がかつて言われたことがある」方もいれば「こういうことを部下に言った記憶がある」方もいるかもしれません。
話の流れは、上司が主人公の表情を見て疲れているのかと質問し、別の女性には可愛さを伝え、上司との会話を経て、「自分も変わらなきゃ」と決意するというもの。ルミネも変わっていくことをPRするCMだったのですが、このCMは大炎上することとなってしまいます。その理由としては、本来仕事面での能力が評価されるべき職場で、「女性は可愛くあるべきもの」という先入観に基づいた表現であったから。
例②ユニ・チャームの生理用品CM
こうした露骨なものであれば、まだわかりやすいのですが、他にも視点を変えると批判が殺到してしまうものもあります。
(引用元:https://mag.sendenkaigi.com/senden/202107/internet-public-opinion-and-ad-flaming/021618.php)
その例としては、ユニ・チャームの生理用品(タンポン)のCMがあります。この動画は2017年4月に女性向けの生活情報を発信するTwitterアカウント「C CHANNEL (シーチャンネル)女子のための1分動画」に投稿されたものでした。
動画の内容としては、女性が悩む生理時の困りごとを具体的な場面で伝え、このタンポンがあれば大丈夫と言うメッセージが最後に出されるという一見わかりやすく、ターゲットや使用時のイメージがつきやすい良いCMのように見えます。元々は、C CHANNELという美容・ファッションコンテンツを収録する動画チャンネルに流され、好評だったものです。少し時間が経ち、C CHANNELユーザー以外の目に留まるようになり、批判や炎上に発展したというのです。その意見の概要としては、「男性の意見を気にして生理用品を選べと言われているようで不快である」とか、「女性にとっては避けようがない生理を男性にとって迷惑と表現するのはおかしい」といった意見がSNS上で多数見られたわけです。実際のターゲットとなる女性からは非常に好評だったのが、誰もが見るようになった瞬間、炎上することになってしまった。この辺りに難しさがあります。
大事なことは、「当たり前」の定義を「わかっているつもり」ではなく、一度疑い、確認することが必要でしょう。今は、ジェンダーや障害など非常に多種多様な価値観があります。特に、炎上を起こしやすいのは、「人の人生を否定しかねない価値観の押し付け」が含まれていて、かつ「不特定多数が見る場面」で炎上は起きるものと考えます。
例えば、「一度きりの人生、一度は結婚しよう」というコピーが出されたとします。このコピーが現在婚活している人だけが見るコミュニティだけで発信されているのであれば特に炎上しない可能性が高いです。しかし、これが不特定多数の人の目に触れたとしたら、「結婚だけが全てじゃない」「結婚することを押し付けられているようで不快」といったコメントが来そうです。この例はさすがに露骨でも、どの企業も最初から「炎上を起こしてやろう」などと思っていることは皆無です。「うちは大丈夫」と構えるのは賢明ではありません。
いかがでしょうか? 気をつけていても、起きてしまうのが「炎上」という現象ですが、ぜひ、今回の内容を元に今一度リリースされる前の動画をチェックしてみてください。
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