代表柵木が制作した伝説のドキュメンタリーPART2

代表柵木が制作した伝説のドキュメンタリーPART2

MVJコラム

こんにちは、株式会社モーションビジュアルジャパンです。暑い日が続きますね。皆様も是非お体に気をつけてお過ごしくださいませ。

今週は前回(https://www.d-pv.jp/column/post-278/)に引き続いて、弊社代表柵木志(ませぎあつし)が制作したドキュメンタリー「あの空まで~親父バンドキューバへ」が、全国200社程が所属する一般社団法人全国地域映像団体協議会が主催する全映協グランプリテレビ番組部門において、映えあるグランプリ受賞を果たした裏話をお伝えしていきます。

200社ある映像制作会社が参加するコンテストの番組部門において、映えあるグランプリ受賞を果たした、弊社代表柵木志(ませぎあつし)が制作したドキュメンタリー「あの空まで~親父バンドキューバへ」の裏話をお伝えしていきます。

コンセプトメイク、素晴らしい作品はなぜ生まれたのか。動画の企画を考えている広報担当者の皆様にとっては目からウロコのお話しであること間違いなしです。

「あの空まで~親父バンドキューバへ」のその先へ

前回は、ドキュメンタリーの概要をお伝えしてきました。

この作品は、まさにテレビ局でのキャリアの集大成ともいえる作品。この作品を通じて、柵木は番組を制作する前から考えていた「受賞をして、最高の花道を作る」という道筋を有言実行してみせるのです。全映協グランプリテレビ番組部門でのグランプリ受賞。このコンテストは、全国約200社が集うコンテストです。社内評価としてはすでに確固たるポジションを得ていましたが、この受賞によって世間的な評価を得た柵木は、株式会社モーションビジュアルジャパンを立ちあげ、現在に至ります。

「あの空まで~親父バンドキューバへ」が何故評価を得たか

何故グランプリ受賞に至ったのか。今となってははっきりと分からないでしょう。当時は愛知万博で世間が賑わい、活況を得ていた時代でもあります。また、まだリーマンショックの影響も来ていない頃です。テレビ局も比較的予算が潤沢にあったことから、カツカツのなかで撮影をすることもなかった。そしてドキュメンタリーとは素材頼みなのです。被写体であるバンドの皆さんの発するメッセージが魅力的であったし、特に尾関さんのパワーが凄まじいものがありました。それだけではなく、柵木の映像制作における「凄み」がこのドキュメンタリーには詰め込まれています。

その凄みとは、まずひとつは明確なコンセプトメイクです。「ドスキゼオス」との邂逅を経た後、ディム・ヴェンダース監督の名作『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(英: Buena Vista Social Club)の日本版を作ろうという明確なコンセプトをその時にすでに思い描いていたのです。そして、「団塊の世代でも元気に楽しく、やりたいことをやっとるよ」という同年代の人々へエールを贈る。このようなコンセプトを即座に引き出してくることができた。それだけ引き出しのスケールが大きいことの証左ですね。

※ 『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
ライ・クーダーとキューバの老ミュージシャン達(ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ)との演奏を中心に、彼らの来歴、キューバの日常を描いたキューバ音楽ドキュメンタリー映画。

さらに、コンセプトが明確に存在していながら、「ほぼ台本なし」で、「言葉が通じない異国の地」で制作をしている点です。

基本的にドキュメンタリーというのは台本が存在しないようで、実は台本ありきであることが多いといいます。台本を作る理由の一番は、「製作者が不安だから」。どこに着地点が来るのか、はたまた予想外の展開が起きて、ロケの時間が長引いては困る・・・。そもそも面白い作品とせねば企画が通らない等。撮影を終わらせるには概ねの見通しを立てるためにも台本が存在する方が効率的であり、何より製作者として安心できるし、よりドラマティックに面白く仕立てることもでき、視聴率も上がる、かもしれないです。

ですが、ここで考えなければなりません。「台本で作り込まれたドキュメンタリーに、`真のリアル`はありますか?」と。

台本の存在を全否定しているわけではありません。当然のことですが、撮影を行えば、もれなく編集作業が入り、そこではどうしても主観や作り手の意図が入り込みます。台本など作り込めば作り込むほど、さらに意図は入り込み、もはやフィクションだかノンフィクションだかわからなくなってしまいます。

対して柵木は、登場人物たちの生の声を伝えるためにほとんど質問らしい質問をせず、ひたすらにカメラを回し続けていました。勿論、いくら予算が潤沢にあるといっても、予算に限界はあります。その中で撮影を完遂し、尚且つ「視聴者を楽しませる、もしくは視聴者の心を揺さぶる」という大前提となるミッションもあります。

このミッションに対して、作品を見ればわかりますが、ほとんどテロップもナレーションもないままに進め、結果も出す。並の技術や経験だけでは無理な芸当です。おまけに前述したように、日本語はおろか英語も通じない(キューバはスペイン語が公用語です)のではトラブルの対処も容易ではありません。そんな状況下で、柵木は長年の経験で、「どのくらいで終わるか」「ナレーションなしで展開できそうか」など様々なことを把握し、撮影を進めていました。インタビュアーがコメントを取っている様子などもほとんどありません。それは「ドスキゼオス」のメンバーという最良の素材を見極めた上で、余計な味付けをしないという演出をすることによって、思い切りメンバーが自由に思いを表現できるようにディレクションをしたということなのです。

映像制作においてコンセプトメイクは重要です。そして、今回の記事で誤解しないでいただきたいのは、台本というものを全否定しているわけではないということ。まだあまり経験がない中では台本を作ることも必要なことです。最初から柵木と同じようにやるのは不可能。玄人でなければメチャクチャな映像になってしまいます。台本などなくても最高品質の作品を制作できてしまうのは、映像として情報を処理し、何より素材のよさをしっかりと見極め、その素材に合わせたありとあらゆる演出方法を熟知しているからこそ為せる技なのです。

今回は弊社代表柵木志(ませぎあつし)が誇る実績の裏話を公開させていただきました。柵木は今も尚、最前線で走り続け、実績を積み重ね続けています。映像制作でお困りの場合には是非ご相談ください。

「言葉や文字では伝わらない・・・」 “伝える” “伝わる” 映像制作の基礎知識

  • 魅力をしっかりと伝える映像の表現力
  • プロが教える映像制作のポイント

MVJコラム

Page Top