代表柵木が制作した伝説のドキュメンタリーPART1

代表柵木が制作した伝説のドキュメンタリーPART1

MVJコラム

こんにちは。株式会社モーションビジュアルジャパンです。コロナ禍の影響で、動画制作需要は非常に高まりましたし、それこそ映像制作会社は千差万別。「え、そんな価格でよかったの?」と依頼された企業担当者様が言ってしまうほど、安く動画制作を請け負い、結果仕上がったものを見て落胆された企業様。実は少なくないのです。

動画制作会社が「のぞんだ通りのものを制作してくれるかどうか」は実際のところ、メインで動くディレクターにかかっていると言っても過言ではありません。しかし、依頼する企業からしてみれば、「作ってみなければわかりません」と言われてはたまったものではありません。やはり映像制作会社は実績があってナンボ。

本日は、手前味噌ながら、弊社代表柵木志(ませぎあつし)が全国200社以上ある映像制作会社が制作した番組部門のコンペにおいて、映えある日本一の称号となるグランプリを獲得したドキュメンタリー番組「あの空まで」の裏話、また柵木のドキュメンタリーに対する向き合い方について二週にわたってお届けしたいと思います。

そもそもどんなドキュメンタリーなの?

柵木は、一般社団法人全国地域映像団体協議会での全映協グランプリテレビ番組部門最優秀賞を受賞しています。このコンテストには、全国200社ほどの映像制作会社が集まり、それぞれ制作した作品の出来映えを審査員が評価するというもの。

その番組とは、「ドス・キゼオス」というバンドが、キューバの音楽祭に招かれて演奏までの軌跡を追ったドキュメンタリー「あの空まで~親父バンドキューバへ」です。

「ドス・キゼオス」は、須藤さんと尾関さんという二人が中心メンバー(ドス:須藤さん、キゼオ:尾関さんというお二人の名前が由来とのことです)で、キューバ音楽に日本の歌詞を載せて歌うというスタイルで愛知万博キューバ館にてボランティアで定期演奏をしていたバンドです。メンバーの大半は他の仕事で生計を立てながら、活動に参加していました。メンバーは年代も様々なら、職種も全くバラバラ。そんな多様でありながら、キューバ音楽というものを楽しむために集った仲間たちがなんと楽しそうに演奏することか。柵木も、そうした「ドス・キゼオス」という素晴らしい素材の魅力を無理に引き出すのではなく自然に、撮影を行っていたとのことです。

柵木がこの作品を手がけるようになるまで

「ドス・キゼオス」のドキュメンタリーを制作するに至るまでには、本編では語られないドラマがありました。当時、テレビ局での仕事が多忙を極めていたこともあり、柵木はかなり無理をしていた時期でした。朝から晩まで駆けずり回らなければいけない、その中で自分が撮りたい、満足のいく作品を撮る余裕もなかったとのこと。そろそろ退職も検討していた胸中を、上司に打ち明けたところ、上司が「ドス・キゼオス」のネタを持ちこんできたのです。

上司としてはドス・キゼオスのドキュメンタリーを満足いくように撮影することで、会社に留まってくれるのではないかという思惑もあったのかもしれませんが、柵木の思いはすでに「ドキュメンタリーで良い作品を作って、あわよくば何かの賞を受賞もして、その上で退職しようと思っていた」と言います。そう腹を括った上で、「ドス・キゼオス」の尾関さん、須藤さんと某ステーキ店にてはじめての邂逅を果たします。そこでお二人に「この作品を撮影し、最高のものを作って、最高の花道を作って、今の職場を退職したい」と胸中を正直に打ち明けたのです。それに対して、バンドリーダーの尾関さんは一言、こう告げたのでした。

「ええよ、わかった」と。

二人との邂逅を経て、柵木は思います。「団塊の世代へのメッセージとして、元気に楽しくやりたいことに前のめりな彼らの姿」をドキュメンタリーを通じて発信できるのではないか。

元々、尾関さんはフォークソングからスタートし、その後キューバ音楽に出会ったのだといいます。ラテン系のダンスでノリノリではなく、日本でいう歌謡曲のような「ソン」といわれる古くからあるキューバの古典的な音楽に、日本語の歌詞を載せる。実際聞いてみると、これまで聞いたどんな音楽とも違うことがわかります。そうした目の付け所も非常に魅力的であり、何より演奏する「ドス・キゼオス」に参加されている須藤さん、尾関さんを中心とした皆さんが音楽だけでなく人生そのものを楽しんでいた姿や生き様そのものにも魅力を感じたと言います。人生の岐路に立ち、自分が作りたいものに向けて邁進せんと考えていた柵木の思いと、もしかしたら共鳴しあっていたのかもしれません。

番組は名古屋のとあるバーでライブ演奏をしているドス・キゼオスの歌から始まります。歌の題名は「あの空まで」。番組のタイトルにもなりました。バンドの中心人物である尾関さんと須藤さんの二人の日常を追いながら、キューバ政府に招待されてサンチアゴ・デ・クーバの音楽祭に出演するまでを丁寧に描いています。途中大切な家族がガンになったり、辛いことも起こりますが、それでも前向きに生きる彼らの姿は多くの人たちに元気を与えてくれたことでしょう。

さて今回は、一旦ここまで。次回は、このドキュメンタリーから見える、柵木の作品づくりに対する今も昔も変わらない「映像に対する思い」をお届けしたいと思います。

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