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制作費1万円で動画を作る!のウソ
制作費が1万40円の動画
「地域の魅力を発信する長野県小諸市のPR動画が16日、テレビCMマーケティング会社「テムズ」(鷹野義昭社長、東京)が主宰する「ぐろーかるCM大賞」特別賞の一部門であるコスパ賞に選ばれ、県庁で表彰式が行われた。
受賞したPR動画は、「小諸がアツ・イー!」のタイトルがついたシリーズもので全3作品。小泉俊博市長自ら出演し、コメなどの特産品をPRした。制作費は総額1万40円で、動画投稿サイト「ユーチューブ」の再生総回数が4万5千回を超えるヒット作となった。」
ネタ元のSankeibizによれば、長野県小諸市のPR動画の制作費は総額1万40円だといいます。でもこれ本当でしょうか?
制作費の計算が間違っている
この「総額」とは恐らく衣装代などの実費分だけのことを言っているのではないかと思います。制作は職員さんがボランティアでやっているのではないでしょうか。とすれば、総額が1万40円で収まるはずがありません。誰かがどこかで貧乏くじを引いているに違いないのです。
アイデアはタダではない
忘れてならないのはアイデアはタダではない、ということです。それにボランティアもタダではありません。コストカットをするならもっと上手にしたいものです。
もしこれを職員が業務としてやっているのであれば人件費がかかっているはず。通常業務とは別にやっているはずですから残業もしているかもしれません。出演者だって、リポーター、市長、悪の手下(4人)、小諸市観光協会の人、市職員(21人)、秘書課(2人)とかなりの数の人達が出演されています。それに撮影班を合わせればかなりのもんです。
動画の内容は素敵です
だからといって小諸市の動画がつまらないということはありません。ストーリーもしっかりしていて最後まで見れる内容です。ですから、制作費の安さを自慢するのではなくて、職員がアイデア出し合って作った手作りビデオが素晴らしいと市長は褒めてあげてもよいのではないでしょうか。
本当に制作費が1万40円で済んだのなら、その分制作スタッフにはボーナスあげて欲しいですね。
同じように企業で動画を作る場合も、社員が通常業務以外の時間を使って制作するのであれば、労ったり、ボーナスを支給するなどしてあげてください。どのみち制作会社へ外注を出すより随分と安くすむのですから。ボランティアを強要するなどもってのほかです。