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アメリカの技術その2
トヨタ自動車のケンタッキー工場へ生産設備を納入した時のことです。
ラインの入れ替えは「決められた時間で、決められた様に!」が必須です。当方の技術者も相手さまも真剣です。5時間ですべて完了し無事稼働を確認し全員「ホッ!」とし、あの広い工場を見学させていただきました。
あるラインでアメリカ人の責任者から「私は先月までトヨタの元町工場で訓練を受けてきたばかりです。日本人はすごい!の一言です。このラインは日本と比較したらまだ70%ですが、来年には80%へそして90%、いつかは超えて見せますよ」とのお言葉でした。
天の邪鬼の私は「それは無理ではないですか?まず日本人とアメリカ人では思考が異なります。この工場を見てみなさいよ。従業員がいろいろでしょう?白人、アフリカ系、アジア系、ラテン系…何より工場のサインが全て英語とスペイン語ではないですか。日本は日本語だけ!時間で、効率で日本に勝つこと考えるより、アメリカの多様性を活かし、新しい形の車を考えだすとか?1スッテプ増やし、時間をかける代わりに日本人では予想もできないラインに仕立て上げるとか?何かユニークなことを考えた方がいいのでは?」と申し上げました。彼は「なるほどな…そのようなことを言った日本人は貴方だけだな…」
挑戦心が旺盛なアメリカ人を「うまく活かし!」自分の現地法人を大きく発展させてきました私は、この考えに自信がありました。
さて、その後あのご仁は何か新しいことを発明したのだろうか?工場の責任者はあの人々の多様性を活かしているのだろうか?