ライブ配信のコツ 「進行表を用意しよう」

ライブ配信のコツ 「進行表を用意しよう」

ライブ配信についてご存じの方や実際に放送をされている方でも「上手な演出方法」を理解された上で番組を提供されている方がどれほどいらっしゃるでしょうか?
実のところ、ライブ配信に関する情報の大半は技術的な事柄です。どのカメラがいい、どのマイクが安くて使い勝手がいい、配信システムはどれにすべきか…そんなことです。
ところが、いざ番組を始めて見るとわかるのは、

「どうやったらもっと面白い番組になるんだろう?」

ということです。それはつまり番組の演出方法、ということですね。テレビ番組制作者でもそうですが、皆さんどうしても技術的なことに偏りがちです。何故かというと、技術的なことは目に見えて、しかも数値化されているので理解しやすいんですね。
人間は数字を出されると妙に納得する癖がありますから、みんなが技術的な方向へつい向かってしまうのも理解はできますw 値段やスペックなどといったことは情報がたくさん出ていますので探していただくとして、こちらでは「演出」のお話しをしてみようと思います。

「面白い生放送番組の作り方」

これは経験者でないとなかなかわからないと思います。が、一度でもライブ配信番組を経験されたことのある方でしたら、「なるほど!」と思っていただけることがあると思いますし、またそう思っていただけることを書いてみようと思います。

そこで、今回は「進行表(構成台本)を用意しよう」です。

生放送番組でなにより大切なのは、進行

いつ、どこで、何を、どうやって放送するのかと考えたとき、放送日時を決めて、放送する場所と機材も決まり、放送内容も決まったとします。ここまでは大丈夫ですね。
そのあと、
うまく進行するためには「構成台本」が不可欠、となります。番組を放送される際、皆さん必ず

「どんな内容について放送するのか?」

考えると思います。
それが、「ハワイ」であれば、ハワイの何について放送するのか考えることでしょう。しかしその内容に簡単でもいいので話す内容と見せるもの、話す時間などを決めているでしょうか?

「ライブ配信番組の魅力はダダ漏れでは?」

とお考えの方もいらっしゃると思います。これ自体否定はしません。確かに面白いのですが、これはやはり「しっかりした番組提供」の裏に存在することでより魅力を発揮することだと思うのです。番組は緩急が大切です。なのでしっかりした時間の流れの中できっちりと構成された番組が存在し、その裏で「ダダ漏れ」があるならそれは大変な魅力となるのではないでしょうか。

さて、とういうわけで、進行表、構成台本です。
テレビ局であれば進行をするのはスタジオにいるFD(フロアディレクター)になります。FDがいなければディレクターや出演者自らがその役割を担うことになるでしょう。FDはいわば指揮者。スタジオの演者さんや美術さん、カメラさんに音声さん、照明さんに気配りしながら副調整室にいるディレクターさんとインカムで進行確認して現場を仕切ります。そのFDの命とも言えるのが進行表です。

進行表とは

進行表には「番組名」「放送日時」「放送内容」といった基本情報をヘッドに書き、その下に表を作っていきます。
表は上から下に向かって時間が流れます。基本軸は3本。「映像」「内容」そして「時間」です。いま手元にお見せできる進行表がないので残念ですが、書き方は台本と同じ感じですね。ただ、生放送の場合は色々なことが同時にリアルタイムで進行していきますので、出演者のコメントは箇条書きにして、あとはカメラの動き、モノの出し入れ、VTRのタイミング、ゲストのタイミングなど具体的に書いていきます。そして大切なのは「話の流れ」がぱっと見てわかる、ということです。
この進行表に話の「起承転結」が反映されますので、

「今どこまで話をして、次は何、そして残りの尺(時間)はどれだけ?」

ということが一目瞭然になります。出演者以外にスタッフが入ればいるほど進行表は大切になります。そして何より「いい番組を作っているという安心感」を持って番組に臨むことができるのではないでしょうか。

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