ドキュメンタリー動画のコツ「ズームを捨て町に出よう」

ドキュメンタリー動画のコツ「ズームを捨て町に出よう」

MVJコラム

イマドキのカメラはズームも相当すごい倍率がついていますね。
一時700倍デジタルズーム!
なんて現実離れのもあったりした気がしますが
今はどうでしょうか。
光学なら20倍前後といったところでしょうか。
倍率が優れていると
つい性能も優れていると考えがちですが、さて。

機能が豊富になればなるほどその機能に頼りがちとなります。
ズームも利きすぎると身体で寄らなくなりますね。
そうなると自分の中で「ズーミング」が大流行です。

そこで
あえて「ズームを捨て町に出よう」と訴えたいと思います。
実はこれ、撮影では基本の話なのです。
だって昔は全て単眼レンズです。
いちいちレンズを交換するか、カメラを動かすか、
どちらかしかなかったのです。

ズームを捨てることで自分の身体と被写体の距離が
そのまま画にでることになります。
近くのものは大きく、
遠くのものは小さく見えます。

当然ですよね。
小さいものを大きく見せたかったら自分が近くによる。
その逆ならば離れる。
息遣いを聞きたいときは近寄らなくては音が拾えない。
音が聞こえてこないのはズームの弊害といえます。
超指向性マイクとかワイヤレスマイクを仕込めば聞こえますが、
それは「覗き」趣味に極めて近くなってしまいます。
なので遠くからズームして終わりにすることは
なるべく避けるようにしたいですね。

ではそこで問題。

運動会で徒競走を撮影する場合、
スタートとゴールどちらにカメラを構えるのか?
一般的には「ゴールで待つ」が正解とされるでしょう。
しかし正解はひとつではありません。
スタート前の緊張感を撮影したいことだってあるはずです。
そのときは迷わずスタート地点で撮影しましょう。
被写体である子供になるべく身体で近づき声をかけてもいいし、
黙って見つめるだけでもいい。

大切なのは結果ですか?
それとも過程?
その時々で答えは変わりますよね。

少なくともゴール地点からズームしたスタート地点の画では
緊張感は伝わりにくいと思います。

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