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労働組合の再生を祈る
最近コンビニの過剰労働や、派遣法の拡大解釈などで、更に働く人々へ過剰な負担がかかっています。
2004年製造現場への派遣ができるよう改正された時、私はある自動車メーカーの第一次下請け企業に勤めていました。改正後早速売り込みがあり、「我が社は保険も入っていませんので、賃金レベルが違います。絶対にお得です」などが売り文句でした。私は「人間を人間として扱わないような雇用はしません」と断ると、「それではメーカーのコストダウン要請に耐えられませんよ!後悔しますよ!」との捨て台詞を残していきました。労働者の犠牲で会社の真の繁栄は無い、また労働組合は第2の監査役との信念があったので、早速労働組合の役員と派遣法改正は従業員と会社の将来にどのような悪影響があるかの確認をし、更には取締役会で技術の継承と新技術の開発には社員のモチベーションと仕事・会社に対する愛情が不可欠であることを再確認し通訳など一部を除き正社員の雇用継続決定しました。またメーカーへは高い技術と高品質でコストダウン要求を回避してきました。
そして5年後メーカーからの天下り専務が来て派遣採用が始まり私は辞任に追い込まれました。今では2割以上が非正規社員らしいです。
無能・無責任のしわ寄せを社員に回し利益を確保している今日の日本社会をみると、あの時労働組合を味方につけ、株主総会で訴えてでも辞任せず残って努力すべきであった、と大いに反省するとともに、労働組合の再生を心より祈り願います。